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白と黒 その2

 「出るところに出て、白黒はっきりさせよう」とか「出るところに出て身の潔白を証明する」などと言われることがあります。この「出るところ」というのは裁判所の法廷を意味しています。

時々、テレビのニュースで裁判官が法廷にすわっている場面が映ります。日本では裁判は原則公開です。だから、誰でも傍聴ができます。大きなニュースになった事件ですと傍聴希望者が多くなり、抽選で傍聴券を配ったりします。でも普通の、毎日行われている裁判では、予約も許可申請もいりません。

 誰でも裁判所の建物に行き、法廷の傍聴人入口などと書かれているドアから中に入り、傍聴人席にすわり、裁判の様子を見学することができるのです。

 私の友人の傍聴した法廷では、被告がかなり熱くなり、裁判官に向かって「そんなことを言うなら、出るところに出てはっきりさせてやる」と大声を出しました。すると裁判官は冷静に「あなたは出るところに出ているのですよ。ここが出るところです」と諭したそうです。
 私が代理人として出廷した法廷でも被告から、「時効が成立していて、自分たちの権利が認められないのは解っている。しかし、こうやって、5人も出てきたのだから、日当交通費ぐらい払ってほしい」と言いました。裁判官は平然と「争わないなら、出てこなくていいんですよ」と言って被告の要求をとりあげませんでした。裁判手続きをあまり理解していない被告の方々は茫然とされていました。気の毒だなとは思ったのですが原告代理人の立場としては何も言えずにおりました。
 
 テレビニュースの法廷画面は、ほとんど正面の裁判官のみが映っています。法廷には、裁判官のほか、書記官、廷吏(裁判所事務官)などの裁判所職員がいます。裁判官は事件を審理し、書記官は法廷で何が行われたかを示す調書を作成します。廷吏は、事件の呼びあげや書類のやりとりなど、次々に行われる裁判の進行役です。
このうち裁判官と書記官は法服というローブのような黒い服を着ています。廷吏さんは黒のスーツです。

 法服の色が黒いのは、「公平無私の象徴」として選ばれたそうです。黒は何色にも染まらないから「中立の象徴」ともされています。原告・被告に偏見を持たず、事実を法に照らして判決をする裁判官の姿勢を示しているのだそうです。

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